建物の解体工事にかかる費用は節約できる|ポイントを押さえよう

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住まいを建て替える際には、全体の工事金額の中で解体工事費用が大きな部分を占めます。では建物の解体工事をするにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。そもそも解体工事の期間や工事完了までの流れとはどのようなものなのか、一般の方には想像もつかないことでしょう。

また建物の解体工事はせずに全面リフォームを選ぶという手もあります。建て替えとリフォームどちらがよいのかは、その建物の状態や施主の意向などケースバイケースで異なってきます。まずは建物解体工事の内容を理解したうえで、どのようにすれば費用や時間を削減して住まいを快適な状態にできるのかについて考えてみましょう。




1. 建物の解体工事の期間

建物を解体することが決まったら、建て替えるにせよ売却するにせよ、次の工程に進むまでにどのくらいの時間がかかるのか工期を知っておきたいものです。次の予定に影響がおよびトラブルになることがないようある程度の情報を得ておけば安心です。解体工事はいくつかの期間に分類されますので一つずつ見てみましょう。

1.1. 解体工事業者の選定期間

まず解体工事をする前に、よい解体工事業者を選ぶための時間が必要です。よい解体業者を選ばないと後々解体工事に伴うトラブルに遭うかもしれませんし、工事期間が長引いてしまうこともあり得ます。

見積もりを取るにしても1社だけですと比較ができません。その業者がよい業者なのか、費用は高くないのかなどの判断がつかないため、複数の業者から見積もりを取る必要があるでしょう。

解体業者の考え方や担当者の人柄を見極めることを考慮すると、最低1カ月間の期間は欲しいところです。

1.2. 具体的な工事の日取りを決める期間

解体業者が決まったら具体的な工事の日取りを決めます。事前に2週間ほどの期間を要しますが、この期間に解体する建物の整理をします。

可燃ごみや不燃ごみは収集日に出しておきます。また粗大ごみなどは自治体に処分してもらえばわずかの費用で済むので、解体業者に処分を依頼するよりはるかに安く済みます。

1.3. 工事前の準備期間

解体工事着工前には、引込配管や配線の撤去を依頼する必要があります。電力会社やガス会社に中止手続きをするとともに撤去の依頼をするのです。水道に関しては解体工事期間中も粉塵防止で散水したりする場合があるので業者と相談しながら進めましょう。

また近隣へのあいさつもこの準備期間に行います。工事が始まってからの騒音などでクレームが持ち込まれないためにもしっかりとした対応が必要です。この準備期間には1週間を要します。

1.4. 建物解体工事期間

準備期間が終了するといよいよ建物の解体になります。およその目安で10日から14日を見ておきましょう。

具体的な解体期間

ただし、建物の材質や大きさや構造などによって解体期間が変わってきます。一般的な30坪程度の木造住宅であれば10日間ほどで解体が完了するのですが、建物のある土地の大きさや道路付けなどで重機が使えないとなると余計に作業日数を要します。

重機が使えないと人力に頼ることになりますので、費用とともに工事期間が増えてしまいます。瓦や内装の撤去を人力で行うための平均的な解体工事スパンはおよそ5日となりトータルで2週間前後かかります。重機が使えると5日から7日くらいで済みますので工期がグッと縮まるのですね。

このほかに、地中から廃棄物やコンクリート片が出てくるなどのアクシデントや、近隣トラブルなどが生じると日程は大幅に伸びます。解体工事を終えるまでの期間は最低でも2カ月はかかるものと考えておきましょう。


2. 建物の解体の費用

解体費用は建物の構造によってまったく異なってきます。一般的な木造住宅などですと重機の使用も少なく工期も短いため費用も比較的安価ですが、鉄骨造やRC造の建物ですと手間がかかるうえ廃棄物も多くなるため費用がかかってくるのです。

2.1. 建物解体の構造別坪単価

一般的な建物の構造の違いによる坪単価は以下のとおりです。

  • 木造住宅坪単価 2.5万円~6.0万円
  • 鉄骨造り坪単価 3.0万円~6.5万円
  • RC造り坪単価  3.5万円~7.0万円

解体費用の相場は「坪単価×延べ面積」で表します。平均的な30坪の木造住宅ですと75万円~180万円となり決して小さい金額とはいえません。

2.2. 建物の構造ごとに違う廃棄物処分費用

さらに解体工事で生じる廃棄物の量で費用が変わってきます。建物の構造によって生み出される廃棄物の量が変わってきますので処分費用が余計にかかってきます。

主な廃棄物には木くずやコンクリート、金属くずなどがありますが、一番廃棄物が少ない木造住宅でも100㎡あたり96t、一番多い鉄骨造りですと100㎡あたり612tもの廃棄物を処分する必要があるのです。

この廃棄物の処分費用は地域によって異なります。またリサイクルできるものが多くあればその分処分費用が安く済みます。

2.3. さまざまな条件によって変わる解体費用

たとえば土地が狭く重機での解体ができない場合や、道路事情などでトラックでの運搬ができない場合は人力に頼るしかないので人件費がかかり解体費用がかさみます。それぞれの条件について詳しく見てみましょう。

立地条件

重機やトラックが使用できないことはもちろん、近隣住宅との距離が近い場合などは騒音対策や振動対策を取らなければなりません。このため養生費がより多くかかってきます。

また工事車両の駐車スペースが確保できない場合は、近隣に駐車場を借りる必要が出てくるので駐車場代がかかってきます。

解体の時期

解体業者にも繁忙期があるので、その時期に解体を依頼すると当然費用は高くなってしまいます。逆にいうと閑散期に解体を依頼すると費用が安くなる可能性が高いのです。一般的に2月と9月が解体作業は少ないため解体費用は安くなります。

工事に要する期間

工期が長くなればなるほど人件費がかかりますので費用が高くなります。工事期間中は埃対策などで散水などの養生が必要になりますが、雨天が続くような季節ですと散水作業が省けるためその分ほかの作業に進むことができます。結果工事がスピードアップして、工期が短くなり費用が安く済む可能性があるのです。

解体業者の得意エリアと不得意エリア

解体工事には建物解体と内装解体があります。業者によって専門分野が違っているため住宅解体の場合は、一般住宅の建物解体を行う専門業者のほうがビルやテナントなどの内装解体をする専門業者より費用が安く済むのです。


3. 建物解体工事の手順

次に建物解体工事の流れを押さえておきましょう。解体工事の手順を知ることにより業者が手抜きをしていないかどうかの判断がつきます。

3.1. 足場養生の組立

まずは重機などの作業空間を確保するため障害物などの撤去を行います。廃棄物の集積、積み込みの場所を確保したら、解体工事には高所作業がつきもののため足場が必要になってきます。

足場を組み立てたり解体したりするときに事故が起こりやすいので監視人をつけます。さらに近隣への埃や粉塵、騒音を防ぐための対策として養生シートを用います。

3.2. 工作物の撤去

窓ガラス、ドア、住宅設備(トイレ、浴槽、キッチン等)の屋内にある作業の障害となるものを撤去していきます。たたみやサッシ、断熱材、屋内配線などもこの段階で同様に取り除きます。

アスベストなどの有害物質を含有していた場合には確認して写真を撮っておかなくてはなりません。依頼をすると家具や不用品なども処分できます。

3.3. 重機の搬入

工作物を撤去するといよいよ重機の搬入になります。重機を搬入する際には近隣の安全を最優先に敷地内を立ち入り禁止にしたり、通行人の安全を確保したりするために監視人や誘導人を配置します。

建物の前面道路の広さにより搬入できる重機の種類が変わってきます。場合によっては重機が搬入できずに、作業員による手壊しなどで対応せざるを得ないケースも出てきます。その場合は建物の解体作業が長期化することになります。

3.4. 建物本体の解体

壁、屋根、梁、柱などの上屋を解体します。基礎は掘り起こして撤去します。庭の樹木や塀、駐車場のコンクリート部分の解体工事も行います。

3.5. 廃材の分別と収集

建物の解体作業で産出された廃材を分別します。木くずやコンクリート片、金属くずなどに分別するのです。敷地内で伐採された木もリサイクル資源になりますので、枝を落として切断したあと運びだすまで保管しておきます。

3.6. 産業廃棄物の搬出

分別した産業廃棄物をトラックで運び出します。廃棄物の中には単純に処理するために運び出す廃棄物と、リサイクルできる廃棄物があります。リサイクルできる廃棄物が多ければ多いほど廃棄物の処分費が安く上がることになるのです。

3.7. 地中の確認

産業廃棄物を搬出した後に、地面を1m~1.5m掘り起こし地中に石ころ以外の廃棄物が残っていないか確認します。次の建物を建てる際に、地中にごみなど余分なモノが埋まっていると基礎工事がうまくいかずストップしてしまうためこの作業が必要になるのです。

もしも地中に障害物が残っているまま土地を売却し、基礎工事をしているときに地中障害物が見つかった場合、その撤去費用は土地の売主側が持つことになります。土地を売却する場合にきれいな状態で売却する責任があるためです。よって地中の確認をしない解体業者はあまりよい業者とはいえませんね。

3.8. 整地

この後整地を行いますが、細かなごみを処分し、重機を使ってぼこぼこした地面をきれいに均していきます。整地後の更地に人が立ち入らないようロープや看板を設置し、場合によっては雑草防止のため除草剤を撒くなどして整地が完了します。整地が終わると重機を搬出します。

3.9. 周辺道路の清掃作業

整地が終了したからといって解体作業が完了するわけではありません。重機の使用や廃棄物の搬出などで周辺道路などを汚損している可能性があります。この周辺道路をきれいに清掃して近隣住民に気持ちよく感じていただけるようにします。

中には清掃作業をしないで完了報告を出す業者も存在します。その場合近隣住民から施主にクレームが来ることになりかねません。ここまでしっかり対応する解体業者を選びたいものですね。

3.10. 近隣住民への工事完了報告

近隣住民に工事が終了したという挨拶に伺います。この場合は解体業者に代金を支払う前に報告に伺うことが肝心です。

工事期間中に解体業者が近隣住民に対して何らかの迷惑をかけている可能性や、トラブルが発生している可能性があるからです。完全に代金を支払ってしまうと、その後の対応をまったくしてもらえないという結果になりかねません。

ここまで終えて解体工事が完了したことになります。


4. 建物解体工事の届出について

解体工事を行う際には、事前に役所に届け出するとともに事後にも申請が必要になってきます。事前と事後の届出について見てみましょう。

4.1. 事前に行う届出

建物の解体工事をする際には、着工の7日前までに建設リサイクル法に基づく分別解体等の届出書を提出しなければなりません。この家屋解体工事の届出は依頼者の義務になっていますが、ほとんどの場合は解体業者が代行して届け出します。

この届出を解体業者がきちんと行わない場合は依頼者の責任となり、罰則規定が設けられていますので注意が必要です。東京都の建設リサイクル法に違反した場合の罰則を例にとりますと、届出を行わなかった依頼者には20万円の罰金が科せられます。

4.2. 事後に行う管理・申請

事後に行うものとしては、管理しておくものと申請しなければならないものがあります。

マニフェストの管理

マニフェスト制度とは、建物の解体工事後に産出される廃棄物の不法投棄を未然に防ぐために導入された制度です。解体工事が完了すると、マニフェストと産業廃棄物がセットで産業廃棄物処理業者に送られ処理されます。

解体工事完了から180日以内にマニフェストが解体業者の手元に戻るので5年間管理する必要があります。このマニフェストを発行しない業者は無許可業者の可能性が高く、廃棄物を不法投棄する悪徳業者の可能性もありますので気をつけましょう。

建物滅失登記の申請

登記されている建物を解体したら、1カ月以内に法務局へ建物滅失登記の申請をしなければなりません。建物滅失登記をしないと固定資産税が課せられることになりますし、金融機関からも不動産の現状が異なるため融資が受けられません。

登記申請後およそ1週間で登記完了証が発行されますが、この建物滅失登記を怠ると10万円の過料が課せられてしまいます。建物滅失登記は基本的には依頼者が自身で行います。解体業者や司法書士などに代行を依頼すると費用がかかってきてしまいます。


5. 建物を解体する前にリフォームも検討しよう

愛着のある建物なので、建物を解体して新築するのではなく建物自体はそのままでリフォームをするという手も考えられますね。リフォームをするメリットについて考えてみましょう。

5.1. リフォームをするメリット

メリットとして挙げられるのは次のとおりです。

  • 住み慣れた建物を解体せずに済む
  • 解体・新築よりも建築費が安く済む
  • 引っ越しの必要がない
  • 工事期間が短い

メリットと感じる点は人によりますが、何といっても費用が安く済むのが魅力なのではないでしょうか。

5.2. リフォームをする際のポイント

増築には骨組みや構造から作り直す場合に敷地内に新しい建物を作る、平屋を2階建てにするなどさまざまなケースがあります。

その際に注意しなければいけないのは「建ぺい率」と「容積率」「高さ制限」です。また10㎡以上増築する場合には自治体に確認申請をしなければなりません。

さらに2階の増築の際には家のバランスが崩れる可能性もあるため、1階の補強が必要になることもあります。特に2階で水回りを増設する場合には費用がかかりがちになります。

5.3. DIYでできるリフォーム

部分的な作業なら自分で行いコストカットすることもできます。DIYでできる主なものは次のとおりです。

  • 床材の仕上げ塗り
  • 壁の塗装や壁紙の貼り付け
  • カーテンレールの設置
  • クローゼットの収納棚の設置
  • 靴箱の制作
  • 階段や廊下の手すりの設置
  • 塀やフェンス、目隠しの設置
  • 庭の整備や植栽

日曜大工が好きな人や腕に覚えのある人でしたら、いずれもホームセンターなどで資材を購入すればできるものばかりです。少しでもリフォーム費用を減らすよう心がけましょう。